かんおんの森から part210月号

 やっとさわやかな秋晴れの季節となりました。今年は暑さがいつまでも残り、彼岸花の開花が遅かったように思います。それでも、観音田んぼの稲は黄金色に実り、もうすぐ稲刈りの予定です。

 学校は前期が終了し、後期が始まりました。半年の間に子どもたちはずいぶん成長しました。特に全校で集まった時の聞く態度がとてもよくなったと嬉しく思います。先生方が子どものやる気を大切にしながら、聞く態度について良い評価をしてきました。各学級でも指導を丁寧にしている成果だと思います。ほめるにしても、しかるにしても、子どもにとって機を逸することなく行うことが大切だと改めて感じました。

 後期の始業式では、「勉強をなぜするのか」という話をしました。

  「人間らしく豊かに生きるために」勉強は必要です。
   人間とサルとの違いは
   1 家族を作り、助け合うこと
   2 二本足で歩くこと
   3 言葉を発明したこと
   
  ですから、学校では
  
   1 友達と助け合うこと
   2 体を鍛えること
   3 自分の考えをもち、正しく伝えること   を学ぶのです。
  といった内容のことを話しました。


 近年、この人間らしさが失われつつあるのではないでしょうか。我が身を振り返っても、
  1 近所の付き合いが少なくなり、家族でも、一緒にご飯を食べることも少なくなってきました。
  2 車社会となり、歩くことが少なくなってきました。洗濯にしても昔は手作業でしていましたが、便利になり、ボタン一つですんでしまいます。
  3 携帯電話やメールが発達し、直接顔を合わせて言葉を交わすことが少なくなってきました。

 人間らしく生きるために大人ができることを努力しなくてはならないのだとつくづく思います。子どもたちに明るい未来を残すのが大人の努めだからです。

 子どもの頃、生活が苦しく文字を習うことができなかったおばあさんが、初めて文字を知ったとき、「こんなに夕焼けが美しいとは思わなかった」と書かれています。学ぶことで、同じ景色を眺めても、心豊かに生活を送ることができるのです。